ぎんざるの毒統一戦記

ぎんざる @_doku_doku_ の毒統一構築ブログ

【S9シングル4桁5桁反復横跳び毒統一】環境の終わりとハードボイルド・ペンドラーランド

8月になって鎧環境が2ヶ月目に突入し、前回構築記事を書いたペンドラーヤドランは環境に刺さりづらくなってきた。そもそも加速ペンドラーと積みアシパヤドランが知名度を得てきたことにより対策されやすくなり、ペンドラーの加速を活かしづらいミミッキュポリ2を起点としたトリルや、ムドーカバによる吹き飛ばし、ワンウェポンヤドランを見越してのサザンドラや悪ウーラオスを3匹目に隠すプレイングで処理されるようになってしまった。安定した選出が難しくなり、ペンドラーヤドランは一旦の解散を余儀なくされてしまう。

 

こうして8月からの毒統一は、一度ペンドラーヤドランを離れ、元のバレルドヒド軸を継承しながらの新たな構築探しがスタートした。

結論から言おう。右往左往した我が毒統一がたどり着いたのは「うえからつよいちからでなぐるとあいてはしぬ」という自然の摂理であった。そう、すなわちペンドラーである。

ペンドラーは、加速というどちゃくそはちゃめちゃ強力な特性を持ち、高火力メインウェポンのメガホーンに加えて地震と岩雪崩によってかなり広範囲の相手に弱点を突ける上に、ジト目が可愛くむっちりした愛嬌あるボディに凛とした誇りを漂わせる絶妙なバランスのデザインを兼ね備えた非常に優秀な毒ポケモンである。その技範囲の広さを具体的に説明すると、サザンドラやゴリランダーをメガホーンで見つつ、エースバーンドリュウズパッチラゴンジバコイルには地面技が、トゲキッスギャラリザードンヒートムには岩技が刺さるため、毒統一に出されやすい相手のアタッカーを上から叩き潰してくれる十分な力を持っている。高めの防御も魅力的だ。しかしながら一方で、飛行炎技で弱点も突かれやすく、殴り合いで不利な局面に立たされることも少なくない。相手のエースに上をとられてしまっていたら何もできずにやられてしまうこともある。

 

というわけで今回は、このペンドラーをエースとし、そのペンドラーが動きやすくなるよう周りを固めた構築となっている。今回のパーティはまだ完成とは程遠く、10000台を行ったり来たりしつつ時々4桁に入るくらいのパーティであるが、叩き台としては十分に機能するであろうため、ここに記録として残したい。

 

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1.ペンドラー@命の珠 加速

陽気:12-252-0-0-0-244

実数値:137-152-109-×-89-179

メガホーン/岩雪崩/地震/剣舞

 

〈調整ライン〉 ※()内は調整の副産物

H...余り

A...全振り(耐久無振りエースバーン(炎タイプ)を地震で確1、ダイアースで耐久無振りDMパッチラゴンを確1)

S...最速110族抜き

 

・火力に特化させたパーティのエース。相手のエースアタッカーを上から叩き潰すのが大きな役割となる。

エスバゴリラキッスドリュギャラあたりが2匹以上いるパーティ(大体のパーティがそうである)に後続として選出し、死に出しから3タテを決めてくれることが多かった。

・基本的にDMを切りたい。珠ダイワームでH252のみの輝石ポリ2を49.4%〜58.8%削れるくらいの火力(現状図太いポリ2は22.5%)。

・前のポケモンで起点を作って一度剣舞できれば大幅に突破力が上がる。(ドリュウズ地震を耐えて強引に剣舞を積み、後続まで突破することもあった。)

・珠ダメで削られるため、長期戦やDMを相手取るのは苦手。そのため、舞台を整えるためには、「ペンドラーの苦手なポケモンを倒すないし削っておく」「相手のDMを使わせておく」「相手に上を取らせない」の3点が大きなポイントとなると感じた。

 

 

2.モロバレル@気合の襷 再生力

生意気:252-0-60-0-196-0

実数値:221-×-98-105-137-31(最遅)

ギガドレイン/イカサマ/クリアスモッグ/キノコの胞子

 

〈調整先〉

H…全振り

B…A特化ハッサムのテクニダブルウィング耐え

D…余り

 

・襷で相手の積みアタッカーを止めつつ眠らせ、ペンドラーで積むための起点を作ることができる点が非常に優秀。

・再生力により実数値で73回復するので、クッションとして運用しても襷が死なない点も優秀ポイント(例えばC特化頑丈ジバコイルの眼鏡万ボルであっても最高ダメージ実数値は66なので引けば全快となる)。

・最遅により相手のトリルエースを止めやすくなっている。

・下から眠らせた場合、ペンドラーに交代する1ターンは確実に眠っているが、剣舞をするとなると1/3で起きられるので悠長に積むかどうかは状況次第。

 

 

3.ドヒドイデ@黒いヘドロ 再生力

図太い:252-0-252-0-4-0

実数値:157-×-224-73-163-55

熱湯/毒毒/自己再生/トーチカ

 

・エースバーンのケアが主な役割だが、回復技持ちの相手に毒毒をねじ込むのも役割の一つ。

・「相手のサイクルを回させる」「毒や火傷で相手を削れる」「相手のDMを誘発しやすい」の3点において後続のペンドラーが暴れる土台を整える役割を担ってくれた。

・相手に警戒されやすく対策されやすいため、逆に相手がドヒドイデを倒すことに心血を注いでくれることが多く、ペンドラー対策が薄くなりやすい選出に誘導してくれるのも素晴らしい。

・バレルと合わせての再生力サイクルも健在だが、相手にどの状態異常を入れたいかで競合することもあるため、相手の3匹目まで予想したプレイングが要求される場面が多いと感じた。

・トーチカは相手のDMターンを削れるだけでなく、こちらのトーチカ読み相手交代を誘発できたりとプレミを誘えるのが素晴らしかったので、相手によっては負け確から勝ちをもぎ取ることもできた。

・思念持ちエースバーンはほんまに許さん。

 

 

4.ドラピオン@風船 カブトアーマー

陽気:108-180-4-0-12-204

実数値:159-133-131-×-97-155

はたきおとす/岩石封じ/挑発/地震

 

〈調整先〉

H…16n-1

A…岩雪崩で耐久無振りリザードン確1(岩雪崩を岩封に変えたため死に調整となった)

B…余り

D…臆病サザンの流星群耐え

S…最速ドリュ抜き

 

・「いたずらごころを無効にして挑発を入れたい」「カバの地震を透かして挑発を入れたい」「エスパー無効で受けたい」という欲張りなポケモン

・逆に挑発を打つために先発で出したい場面とエスパーを受けるために後ろから出したい場面があり悩むことも少なくなかった。

・火力に振ってはいるものの突破力は本当に低いため、先発で出して「挑発で相手の出鼻をくじく」「はたきおとすで削りつつ嫌がらせ」「岩封で削りつつSを上げさせない」というのが主な役割となっていた。

・パーティ的に一見地面技を無効化するポケモンがいないように見えるため相手の地面技を誘いやすく、ドヒドやストリンダーが地面技を透かすための交代先としてクッションになってくれる場面も少なからずあった。

・目立ちはしないものの結果的に勝利につながる動きをしてくれることが多かった印象。ただ物足りなさは感じるため、改良の余地は大いにアリ。

 

 

5.ストリンダー@チョッキ パンクロック

控えめ:196-0-4-68-100-140

実数値:175-106-91-175-103-113

オーバードライブ/爆音波/ほっぺすりすり/祟り目

 

〈調整先〉

H…16n-1

A…ほっすりがあるため個体値はV

B…余り(陽気252ドラパルトの珠ドラゴンアロー耐え)

C…ほっすり+オーバードライブでH4キッス確1

D…臆病252リザードンの晴れ大文字耐え、C特化眼鏡シャンデラのサイキネ耐え

S…最速マリルリ抜き、麻痺状態でS1段階上昇した80族抜き

 

トゲキッスリザードンなど毒統一に一貫する飛行技持ち特殊アタッカー対策。

・ほっすり祟り目でドラパミミッキュも見れるが、基本的には地面タイプに引かれやすい。

・自分より速い地面技持ちにめっぽう弱いため、地面を空かせるドラピや等倍にするモロバレルのケアが欲しくなる。選出率は低め。

 

 

6-1.ゲンガー@達人の帯 呪われボディ

臆病:0-0-0-252-4-252

シャドーボール/エナジーボール/10万ボルト/気合玉

 

ペンドラーが苦手とするカバルドンをエナボで吹き飛ばしギャラを万ボルで吹き飛ばしたいがためだけの採用ポケモン

・イージーウィンをもたらしてくれることもあったが、いかんせんピンポ対策すぎる上、エースバーンドラパに上から縛られているのがやはり辛かった。

・2匹目のエース枠として考えていたが、DMを切りたくなる場面が少なからずありペンドラーと取り合いになることも問題の一つだった。

・長らくパーティにいたが、後にエンニュートと交代することとなった。

 

 

6-2.エンニュート@食べ残し 腐食

臆病:140-0-12-4-148-204

実数値:161-×-82-132-99-179

火炎放射/毒毒/守る/みがわり

 

〈調整先〉

H…4n+1(16n+1)

B…余り(ちなみにAの個体値が0で、CとDに振っている努力値を合わせてBに164振ると、身代わりがタイプ一致イカサマを高乱数で耐えるようになる)

C…余り

D…C無補正164振りポリ2(エースバーン対策ポリ2)のトライアタックを2耐え(ポリ2のDL対策がしたかったこともありD振り)

S…110族抜き

 

・ゲンガーからの交代枠。毒毒での削り、上からの守みがによる相手の壁ターンやDMターン削りが大きな役割となっている。

・腐食による毒毒で毒統一では意外と重くなりやすい相手のドヒドイデフシギバナ、その他の毒や鋼枠を削れるのも頼もしい。

・意外と読まれづらく、毒みがが決まれば相手の1匹は持っていける場面もあったため、後続のペンドラーを補助する役割として考えると、火炎放射の枠をがむしゃらにするのは大いにアリ。

ドヒドイデモロバレルの再生力ループとの相性も良かったが、起点となり積みアタッカーに崩されることも少なくなかったため、相手を見た運用が必要。

 

 

【解説】

前述の通り、基本的にはいかに3匹目のペンドラーを通すかが重要となる。具体的には「ペンドラーの苦手なポケモンを倒すないし削っておく」「相手のDMを使わせておく」「相手に上を取らせない」の3点を前のポケモンで達成しておきたい。

まず「ペンドラーの苦手なポケモン」だが、個人的には大きく2種類あると感じ、①メガホーンが等倍で通らずに他で弱点が突けず殴り合いで負けてしまうドラパルトハッサムマリルリのようなアタッカー、②元の耐久が高かったり回復技を持っていたりで受け切られてしまうポリ2アーマーガアなどの受け、である。前述のポケモンをドヒドバレルで受けつつ削ったり、後述のポケモンは毒や眠りを入れて弱体化させるのが理想となる。

「相手のDMを使わせておく」は相手のプレイングにも依存するため達成がとても難しいポイントとなる。理想としては、ドヒドバレルあたりで相手のサイクルを回させて3匹を見てDMを切りたいエースを見つけ、こちらの隙を見せてDMを先に切らせることができたら成功である。特にドヒドバレルは相手がなんとしても落としたいと思ってくれることが多いらしく、DM誘発ポケモンとして非常に優秀だった。

「相手に上を取らせない」には大きく2パターンあり、①相手にSを上げさせない、②相手にトリルを使わせない、である。ダイジェットが跋扈するこの環境の中、①で役に立つのはドラピオンの岩封、ストリンダーのほっすり、モロバレルクリアスモッグだろう。②に関しては、ドラピオンの挑発で対処することが多いが、切られたとしてもドヒドバレルエンニュートでトリルターンを乗り切ることができれば上々だ。

よくある選出としては先発挑発したいドラピオン+相手のアタッカーストッパーモロバレル+ペンドラーという組み合わせである。相手に応じてモロバレルの場所がドヒドイデに変わったり、逆にバレル先発にして催眠→ペンドラー剣舞を狙うという動きもあった。意外と柔軟性に富む構築であり、筆者自身が気づいていない選出や勝ち筋の見出し方が他にもありそうだとは思う。

 

【今後の展望】

このパーティを完成させ切らないままシリーズ6に突入してしまうのはいかんせん消化不良な感じも否めないが、シリーズ6は大きく環境が変わってまた新たな毒統一の可能性を探せると思うとそれもまあ楽しみだなあと思う。シリーズ6環境でこそフシギバナを開花させてあげたかったなあ。

おそらくは猛威を振るうであろうパッチラゴンと、それを受けるための地面タイプの新手たち、跋扈する受けループにこれまでナリを潜めていた600族ドラゴンズと、新たな環境に毒統一がどう立ち向かえるのか。新しい毒ポケモンの可能性が開かれるの、めっちゃ楽しみンゴね〜〜〜!