シリーズ6のレギュレーションによって環境が大きく変わり、環境ポケモンも大きく変化した。我が毒統一もイチからパーティを練り直し、時には尻尾トリックあくび連打ヤドランからの積みペンドラーみたいな構築で迷走しつつマスボに到達したが、勝率5割で序盤なのに2万位台まで落ちていた。
新環境も固定化され始め、環境ポケモンが出揃ってきた時期に我が毒統一が辿り着いた結論はというと。
「うえからつよいちからでなぐるとあいてはしぬ」
そう、やはりペンドラーだったのである!ペンドラーなんだよ。結局俺はペンドラーが好きなんだ。ペンドラーがでっかくなってめちゃくちゃな火力で敵をガンガン吹き飛ばすのが見てえんだよ!というわけで完成したのがこの構築である。
今の固定化されてきた環境は、毒統一が刺さりやすいというよりは、環境にいるポケモンの型や持ち物が固定化されており読みやすく、DMエースもわかりやすい環境だというのが個人的な見解だ。パーティも固定化されているなあという印象で、めっちゃ雑に言うと①パッチラゴン筆頭のDMエース枠、②ドサイドン筆頭の電気受け枠、③毒統一には選出されないアシレーヌ、④どっちかのウーラオス、⑤自由枠としてロトムなどの特殊アタッカー、⑥自由枠としてナットなどの補助、という構築に当たることが多いと感じた。だからこそ毒統一に選出されるポケモン、持ち物、耐久もある程度は予想が立てやすく対策がしやすい。そのためペンドラーが刺さりまくっているわけではないが、ペンドラーを通す土台を整えやすい環境だ、というのが個人的な印象である。
パーティについて、割と初期から上の4匹(ペンドラー、マタドガス、ドラピオン、ゲンガー)は決まっていたが、残りの2枠(ストリンダー、クサイハナ)が最後まで決まらずに苦労した。各ポケモンたちの努力値調整も何度も微調整をさせられた。今の形に整ってからの戦績は、30戦22勝8敗(勝率73%)となっており、これにより当時2万位台から現在の690位(レート1753)までくることができた。
以下の各ポケモン紹介は構築に入った順に掲載している。
1.ペンドラー@珠 加速
陽気:12-252-0-0-0-244
実数値:137-152-109-×-87-179
・前環境に引き続きエース枠として投入された珠ペンドラー。
・今環境でもメインウェポンである虫技の通りが悪くなく、地面技はパッチラゴンドサイドン他虫を通さない炎岩鋼に、岩技がリザードンヒートロトムヒヒダルマオンバーン他虫を通さない炎飛行に刺さるため、割と通りがいい環境となっている(虫技を半減するフェアリータイプ筆頭のアシレーヌはまだ1回も選出されていないが、格闘タイプのウーラオスは高い頻度で選出される)。
・Sは最速110族抜きにしてあるが、これを最速にすることで、1加速後に2↑最速70族を抜ける。すなわち、殻を破ったパルシェンやポットデスが抜けるようになる。しかしながら耐久も火力もカツカツなためなかなか変えられずにいるのが現状である。
・運用の仕方については下記【解説】にて詳述。
2.マタドガス@帯 科学変化ガス
控えめ:148-0-20-220-20-100
実数値:159-×-143-146-93-93
ワンダースチーム/ヘドロウェーブ/大文字/守る
H→16n-1
B→陽気パッチラゴンの珠先制嘴耐え(はりきり無視)、陽気ガラルヒヒダルマのつららおとし2耐え(ごりむちゅう無視)
C→帯ヘドロウェーブでH252オーロンゲ確1
D→余り(臆病オンバーンの珠暴風耐え)
S→4振り70族抜き抜き、1↓最速75族抜き
・ドラゴンが多くなる環境と思い投入されたフェアリー枠。特性は型破り地震マンが消えたから浮遊もアリかと思ったが、以下の理由で科学変化ガスに。
・科学変化ガスが無効化できて有効だった特性としては、火力強化系のパッチラゴンのはりきり、ガラルヒヒダルマのごりむちゅう、ハッサムのテクニシャン、ホルードのちからもちや、サポート系のオーロンゲのいたずらごころ、アローラキュウコンのゆきふらし、エアームドの頑丈など、多岐に渡る。ドガス使ってるといかに今の環境が特性に依存したポケモンで溢れてるかよくわかる。マジで。正直マタドガスはこれから環境でもっと流行りそうな気もする。
・技の最後の1枠はシャドボ、万ボル、鬼火を回しつつ使ってみたがいまいち打つタイミングがなかったため、様子見とターン稼ぎも兼ねてまもるに。これによってギルガルドと読み合ったり、ウーラオスの不可視の拳を無視して守るを決めたりといったパワープレイができるようになった。
・S調整のおかげで1↓パッチラゴンに上からワンダースチームを叩き込めた場面もあった。耐久に振ったレントラーやエアームドといった70族(エアームドは陽気が4割だが)、ハッサムネギガナイトといった65族など、意外な場面で上を取れることもあり、無駄ではない調整に感じた。
〈追記〉
・もともと控えめグドラのダイストリームを少しでも耐えるようにDに振っていたが、増えてきたナットに安定して戦えるよう、DからCに16振り分け、大文字を火炎放射に変更した(9月11日)。これによりH252ナットまでなら火炎放射で確1が取れる。ちなみにS調整も含めて、A特化最遅ナットのジャイロボールは最高乱数以外耐え。
3.ドラピオン@シュカ カブトアーマー
陽気:236-108-12-0-12-140
実数値:175-124-132-×-97-146
はたきおとす/岩石封じ/瓦割り/挑発
〈調整ライン〉
H...16n-1
D...臆病オンバーンの珠ダイジェット耐え
S...最速80族抜き
・先発安定枠としてのドラピオン。挑発でステロや壁張りを防ぎ、岩石封じでSを調整し、はたきおとすで嫌がらせをする。
・耐久が優秀で火力は低いものの試行回数により削りの役割も十分にこなしてくれる。
・特にこのパーティは搦手が少ないため、ガラルサニーゴなどの耐久ポケモン相手にドラピオンの挑発が刺さる場面が少ながらずあった。
・シュカのおかげで油断して居座ってきたマンムーやホルードの襷を削れるのも優秀。
・瓦割りの枠は選択となるが、クレッフィの壁にどうしても壁を張られてしまう問題のため採用した。とどめばりや這い寄る一撃、吹き飛ばしや毒毒なんかの補助技も魅力的には感じる。
・ABの調整が適当なため、AからDに104振り直し(D116振り実数値110)て、C4振りクレッフィのてっていこうせん2耐え調整にしてもいいかもしれん。ただそうすると削りとしての性能が少し下がってしまいそうでその辺のうまい調整ラインをまだ見出せていない。
・技の妙もあいまって、実数値以上の働きをしてくれるので割とおすすめのポケモン。
4.ゲンガー@襷 のろわれボディ
臆病:0-0-0-252-4-252
実数値:135-×-80-182-96-178
シャドボ/こご風/エナボ/気合玉
・上を取られる相手が激減したこととステロを撒かれる場面が減ったことから、襷ゲンガーを採用。
・汎用性の高いシャドボ、S操作が優秀なこご風、ドサイドンなど呼ぶ地面タイプやたまにくる水タイプに刺さるエナボ、ノーマル技を透かせるので後出しできるポリZに打つための気合玉、という技構成。
・技構成決定まではわりと悩んでおり、襷を活かした不意打ちや道連れも入れてみたが、結局技範囲を広げる形で現在の技構成に落ち着いた。襷を持って先制技を打ってくる相手が、ルカリオのしんそくしかりホルードの電光石火しかり無効にしやすいこともあったため、上から2回殴った方が強いと判断した。ただしキリキザンや悪ウーラオスのような襷不意打ち持ちに弱いのは注意が必要。
・こご風で相手のSを上げないようにしつつ襷も合わせて相手のDMターンを2ターン稼げたのはとてもありがたかった。削りの火力も十分あるため、ペンドラーまでのつなぎとして非常によく助けてくれた。
・ペンドラーのDM技でゴリ押しづらい悪水ウーラオスを削る役割を請け負うことが多かった。スカーフ水ウーラオス相手でない限りは何かしら役割を果たしてくれる。
・ペンドラーを選出しない時はDMエースとなることもあった。やはりシンプルな速さと技範囲の広さはDMと相性がいい。
5.ストリンダー@チョッキ パンクロック
控えめ:196-0-44-20-108-140
実数値:175-106-96-150-104-113
オーバードライブ/爆音波/ほっすり/アシボ
〈調整ライン〉
H…16n-1
B…陽気パッチラゴンの先制珠嘴耐え(陽気アローの珠ダイバーン(フレドラ)耐え)
C…H252ハッサムをオバドラで最低乱数以外確2
D…臆病リザードンの珠熱砂耐え(臆病オンバーンの珠ダイジェット(暴風)+珠ダイドラグーン耐え、臆病ポリZの破壊光線高乱数耐え)
S…最速50族抜き、準速60族抜き、麻痺 1↑80族抜き
・オンバーンがダイジェットで 1↑になるとペンドラーでダイウォールしても抜けなくなるため、オンバーン対策に採用。
・オンバーンに受け出ししてほっすりを入れることができるよう調整。
・オンバーン、リザードン、ポリZあたりにほっすりを入れられたりDMターンを削ってくれるのが魅力。
・何気に受けにきた特殊受けにアシボを入れて突破したり流したり後続の火力強化になったりした点も優秀だった。
・爆音波の火力も、倒せこそしないもののペンドラーで突破できるところまで削れる力は十分にあり、後続を活かす役割は十分に果たしてくれた印象。
・反面、上から殴ってくる地面タイプはとても苦手。ホルード、マンムー、ドサイドンが電気無効として受け出されやすく立ち回りには注意が必要。
・アローラガラガラやシロデスナにはアシボを入れる以外何もできないため、こちらもとても苦手。アシボ枠をバクアや祟り目に変えるのもアリだが、個人的には受け潰しがほぼいないパーティなのでアシボ推奨。アシボでハピナスを無理矢理流す試合もあった。
〈追記〉
・3桁達成以降、オンバーンよりもナットレイの方が重く感じたために、火炎放射を搭載した物知りメガネヤドランに変更した。(9月18日)
図太い:252-0-244-0-0-12
実数値:167-×-133-105-95-62
ギガドレ/ちかすい/宿木/眠粉
〈調整ライン〉
B…A特化ハッサムの無振りダブルウイング耐え(陽気パッチラゴンの珠ダイバーン耐え、陽気パッチラゴンの珠先制嘴を最高乱数以外2耐え、陽気ガラルヒヒダルマのつららおとし最高乱数以外耐え)
S…無振り40族抜き抜き(無振りドサイドン意識)、葉緑素時に最速60族抜き
・トリルメタに入れていた最遅モロバレルと交代で採用。モロバレルが襷をゲンガーに譲ったことと、ドサイドンに受け出しても上から叩かれてしまうことから、クサイハナに交代となった。
・A1↑いじっぱりドサイドンのダイバーン(ほのおのパンチ)も最高乱数以外耐えるので、ドサイドンに交代際に剣舞されても、上からちかすいで対応可能(剣舞を重ねられたら眠粉を撒こう)(抜かれていたら諦めよう)→とりあえずドサイドンに受け出しが安定していた。ドサイドンにあと投げできるポケモンがいることの安心感がパない。
・リザードンのダイジェット(珠無し)でも耐えられないので一致弱点技の特殊受けは期待しないようにしたい(控えめサザンのダイバーン(大文字)は高乱数で耐えられる)。
・後攻眠粉→ペンドラー無償降臨からの剣舞という擬似モロバレルみたいな行動も取れたが、命中と運が絡むので多用はしたくない。
・最初は両受け調整していたものの、強力な物理アタッカーが多かったことから物理受け特化に。
・宿木の枠はおまけ程度なのでムンフォ、光合成、毒毒あたりと交換可能。
・潜ってる時はなぜか努力値ミスによりHが 1低い状態だったが特に問題はなかった。そんなもんだなあ。
【解説】
ペンドラーを通すのがメインの勝ち方となるので、その環境を整えるため、①ペンドラーのDM技で突破できない相手を削るないし倒しておく、②相手のDMを使わせておく、③相手に上を取らせない、④壁を張らせない、の四大原則を前で達成しておくことがパーティ全体の大きな目的となる。以下、各項目について詳述する。
①について、現環境上位にいてなおかつ毒統一に出てくるポケモンを、「A.相手がDMしててもDMペンドラーで上から倒せる」「B.相手がDMしていなければDMペンドラーで上から一撃で倒せる」「C.相手が非DMの時にDMペンドラーで一撃で倒せないが反撃で落とされない(削れていればDMペンドラーで倒せる)」「D.相手が非DMの時にDMペンドラーで一撃で倒せないし反撃で落とされることがある」「E:DMペンドラーでも回復などで耐えられることがある」「F.襷カウンターに要注意」の6種類にざっくり区分してみると、以下の通りとなる。
B枠:パッチラゴン、サザンドラ、Hロトム(H252をダイロックで高乱数81.2%)、Cロトム、ヒヒダルマ、オンバーン、ポリZ、アローラキュウコン、サーナイト
C枠:悪ウーラオス、ホルード、ギルガルド、ニンフィア、ロトム、マタドガス(鬼火注意)、ガマゲロゲ、アイアント、ウオノラゴン、オノノクス
D枠:水ウーラオス(鉢巻)、ナットレイ、ドサイドン、ギルガルド(弱点保険)、ハッサム、ラプラス(弱点保険)、ウインディ、アローラガラガラ、ブリムオン、シャンデラ(襷)
E枠:カビゴン、ハピナス、アーマーガア、ドヒドイデ、ガラルサニーゴ、エアームド
F枠:カビゴン、トリトドン、ルカリオ、ルガルガン、キリキザン
このCDEF枠のポケモンを前のポケモンでどれだけ削っておけたかによって、ペンドラーを通せるか否かが大きく変わってくるのである。
そのため前に出すポケモンたちの大きな役割は、このCDEF枠の相手を誘うなり受け出すなりして削りを入れることにある。
あるいは、相手の後続次第では、ペンドラーで強引に剣舞することでしか活路を見出せない試合もいくつかあった。ギルガルドやカビゴンなどは特に積む隙を与えてくれるのでありがたい。あくびや電磁波を食らいながら積む、威嚇持ちへの交代際に積むなど、強引にいかなければいけない場面も少なからずあったため、その辺りは相手の後続との相談になる。どうしても相手の3匹目が見えない状態でペンドラーにDMを切らなければならなくなる場面ももちろんあるため、その場合は相手の後続に誰がいるか、こちらの後続は誰を残すかの判断が重要となってくる。
②に関しては、最悪DMターンを削りきれなくてもペンドラーのダイウォールで1ターン凌げるので、相手のDMを 1回耐えて2ターン稼いでくれれば最低限の役割は果たしたことになる。パーティの各毒ポケモンがなるべく耐久寄りに調整されているのは「とりあえず一撃を耐えて相手のDMターンを2ターン消費させたい」という思いも込められている。
③に関しては、「S上昇技を撃たせないor無効化する」と「トリルを打たせない」になるだろう。特に毒統一はダイジェットの通りが良くダイジェットを打ちたいパッチラゴン、ホルード、リザードンを呼び込みやすい。こういったS上昇技に関しては、ドラピオンの岩石封じやゲンガーの襷こご風が大きく役立ってくれていた。ただしどうしてもオンバーンのダイジェット上昇だけは素の速さも相まって手がつけられなくなってしまうので、そのためのチョッキストリンダーである。
しかしながら一方で、バレルをクサイハナにしたことでトリルパへの対処は難しくなってしまった感が否めない。ポリ2ミミッキュといった始動役が減ったことはありがたいし、ブリムオンにはドガスのヘドウェが刺さるものの襷で耐えられることも多く、後ろから出てくるガラガラへの対処はとても難しい。ドラピオンを当てて骨をはたきおとすなどしながら頑張って戦うしかない。
④に関しては、個人的壁貼り四天王アローラキュウコン、オーロンゲ、ラプラス、クレッフィへの対処であろう。前半2匹に関しては、マタドガスの科学変化ガスで特性無効化からのヘドウェで倒せる。クレッフィに関しては、壁を張られつつドラピオンの瓦割りで破るような動き方をする必要がある。ラプラスは壁を張られてしまっても相手のDMを使わせることには成功しているので、壁ターンを凌ぐか後ろからドラピを出して破るような戦い方になるだろう。
ペンドラーを中心にした構築だが、ウーラオス+ドサイドン+アーマーガアみたいに、とにかくペンドラーが刺さらない構築と当たることもあるので、無理にペンドラーを出す必要は必ずしもない。個人的には、上記のAB枠のポケモンが2匹以上入っているパーティ相手には積極的に出すようにし、それ以外の時は慎重に考え直すような選出をしていた。
ちなみにこのパーティだと、ハピラキカビゴンへの対処が、ペンドラーで舞って高火力で吹き飛ばす以外ほぼない。そのため、ハピナス+アーマーガアなどペンドラーを一貫させられない相手と組まれると滅法弱い点には注意が必要である。
まだまだ環境は続くため、このまま1800に乗せ、2桁の壁を狙っていきたいなあの気持ち。限定的な調整が多いこのパーティだが、ここから上位に入るとどんどん読みづらい相手が増えてくるだろうからこっちの調整し直しも余儀なくされるなあという予感がしている。この構築を使ってみた人がいたらぜひ改良案を教えてほしいの気持ちである。
〈追記〉
このパーティは9月17日に2万位台まで落ちたものの、チョッキストリンダーを物知りヤドランに変更したことで、9月26日の段階で1000位台までは復帰した。おそらくはレート1800は超えたと思うものの、まだヤドランのおさまりが悪く、6匹目の探究が待たれる状況である。